サッカー日本代表 グアテマラ戦 2013年9月6日 結果・プレイバックと感想 [日本代表(サッカー)]
◆概要
・サッカー キリンチャレンジカップ2013 日本代表 対 グアテマラ代表の試合が2013年9月6日19時25分キックオフで行われた。
・結果は日本がグアテマラを3対0で下した(得点:本田圭介、工藤壮人、遠藤保仁)
・世界ランキング93位と格下のグアテマラを相手に完全にゲームを支配し、決定的なチャンスも多くあったなか、3点というのはむしろ決定力不足の印象さえあった。
◆スタメン
キックオフ時のフォーメーションは4-2-3-1 。スタメンは以下の通り。
ゴールキーパーは西川周作。
ディフェンス4バックは右サイドバックが長友祐都、センターバックに吉田と森重、左サイドバックは酒井高徳が入った。
ボランチは長谷部誠と遠藤保仁の不動の二人。
攻撃陣は右サイドに岡崎慎司、トップ下に香川真司、左サイドに清武博嗣、ワントップに大迫が入った。
本田、今野がスタメンから外れたのは意外だったが、おそらく森重と大迫のテストの意味合いが強かったのだろう。
◆ゲームプレイバック
前半から日本が完全にゲームを支配し、敵陣に攻め込む試合展開となる。序盤大迫のいい位置でのポストプレーや遠めからのシュート、清武も積極的に遠目からミドルを撃ってゴールを狙いに行く。流れの中で何度も決定的なシーンを作るが相手ゴールを割ることができない。
特に39分、吉田がゴール前フリーでボールを受けるという決定的なシーンがあったがボールは大きく枠の外に外れてしまった。0-0のまま前半終了
後半開始の時点で日本は2枚の交代カードをきる。大迫に代えて柿谷を投入。清武に代えて本田を投入した。柿谷はトップのポジションに入り、本田がトップ下に入ると香川は左サイドに移った。
後半開始早々の後半5分、長友のクロスを本田がヘッドで合わせ日本が先制する。
その後も試合は日本優勢で進む。
柿谷が何度も相手の裏に飛び出す動きを見せ、チャンスを伺うと、岡崎も2列目から飛び出すプレーを見せ、ゴール前を固める相手のディフェンダーの網を何度もくぐりぬけ、チャンスを作る。
後半16分岡崎に代えて工藤壮人を投入。工藤はそのまま岡崎のいた右サイドの位置に入る。
後半15分過ぎあたりから、本田、香川、柿谷がすばらしいコンビネーションを見せ始める。ワンタッチのプレーから完全に相手ディフェンダーがついていけなくなってくる
後半23分、日本の2点目の得点が生まれる。
長谷部のやわらかいスルーパスをエリアに飛び出した香川に送ると、香川のクロスに工藤がしっかり合わせて得点した。しっかり押し込んだ工藤も素晴らしかったが起点となった長谷部のスルーパスもすばらしかった。
後半25分、カウンターをドリブルで駆け上がる柿谷。仕掛けの意識が高い。この日の柿谷には前線でよくボールがおさまり、柿谷がボールを持つと何か素晴らしいプレーが生まれるのではないかという期待感があふれた。本田との縦の関係も素晴らしかった。そして、この試合の柿谷は10年のW杯時の本田並みの存在感が漂っていた。
後半29分 交代。香川を下げ、今野を投入。再びザッケローニは3-4-3のシステムを試してきた。長友と酒井を前に出し、3バックは森重が中央に入り、吉田が右、今野が左に入った。
後半31分、日本がフリーキックを獲得。これを本田が蹴ると見せかけたフェイントから遠藤が右足で直接ゴールを狙い、ネットを揺らす。3点目。
本田が蹴ると見せかけて遠藤が蹴るというのは、南アのW杯のデンマーク戦のフリーキックを思い出させたが、あの時のシュートは見事なカーブシュートだったのに対し、今回はまっすぐのボールをゴールに突き刺したという感じだ。国際Aマッチ135試合目、33歳の遠藤が魅せた。
しかしシステムを3-4-3にしてから試合終了まで、日本の選手の連携がいまひとつ噛み合わなくなってくる。特に前線からのプレッシャーが減って、やはり3-4-3はあまり日本代表にフィットしているとは言えないのではないかと感じた。後半23分に交代で遠藤を下げ、青山を投入するも流れは変わらず、このまま試合終了となった。
◆感想
・大迫と柿谷のトップ争いはお互い得点という結果は伴わなかったものの柿谷が一歩抜け出した感がある。後半から投入された柿谷にはボールが良くおさまったし裏へ抜ける動きも素晴らしかった。本田、香川らとのコンビネーションも抜群でワンタッチでボールをまわし相手ディフェンダーを完全に翻弄していた。
そもそも柿谷が今回背負っていた「11番」の背番号はザックからの期待感の表れではないかと感じた。
対して大迫もポストプレーに光るものがあったが、肝心の決定機をあれだけはずしてしまうとなかなか今後に向けては厳しいものがある。それは清武も同じだろう。
・日本の課題は守備、特にセットプレーからの守備だったが、今回相手のセットプレー自体が少なかったため、ディフェンスが良くなったか判断は難しいが、0点で抑えたことは良かったし、森重と吉田のつるべの動きも良かったと思う。
ただし相手の鋭い攻めがあまり無かったため、「一瞬のチャンスをつぶす」守備や、吉田が言う「攻めている時のリスク管理」がしっかり出来ていたか評価は難しい。
・前半終了間際の香川から大迫のパスが相手ディフェンダーにカットされるシーンを見て、やはり香川の試合感覚の問題を感じた。左サイドにフリーで清武が飛び出そうとしていたのだが、完全にマークされている大迫にボールを出したからだ。
・1点目を見るとやはり本田は「持っているな」と感じる。ゲームを通して安定感もある。最近気になっているのはふわりとしたループパスをよく使うことだ。ウルグアイ戦でもループで浮かせたボールを香川に通して得点をアシストするシーンがあった。本田のなかで攻めのバリエーションが増えてきているのではないかと感じた。
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